鉈の目釘がおかしくなっていじっていたら柄をすげ替えることになってしまいました。
前のは手元にあった栗を使ったのでイマイチでした。
今度はまだ少し湿っている枝おろしした樫の枝を使います。
柄をすげ替えるだけでは少し勿体ないので、再熱処理をすることにしました。
この鉈は昔々初めて買ったもので、研いでいるうちに竹や固い乾いた木を切ったときに刃がまくれるようになったため、ガスで炙って焼きを入れ直しました。
すぐには気が付かなかったけど家に帰って研ぎだしたときに刃がかなり反っているのに気が付きました。
ハガネの張り付けてある刃裏が焼きがハイってマルテンサイト変態をすると少し膨張するため刃全体が滑らかに曲がってしまっていました。
その時は、ガスで加熱したときの裏表の温度差によるものだろうと考え、諦めていたのですが研ぐのが面倒なので、この際やり直すことにしました。
今度はごみ焼き釜を使います。そこに、ぐい飲みになり損ねた丸太を入れて団扇で扇ぐと使える火が出来ます。熾きの層の厚さが10cm程度になったところで、鉈を入れて赤めまず真っ直ぐに直しました。
次いで焼き入れ温度まで温度を上げてバケツの水に焼き入れました。
結果は前よりひどく反ってしまい、真っ直ぐからで駄目なら曲がる分逆に曲げておけばいいと考え目検討で加熱して曲げました。
再度焼き入れをしたら反りはあまり戻りません。焦って温度か不十分なのに焼き入れたらしいです。
再加熱、再焼き入れを二回繰り返したけど改善されないので、少し反りを少なくし直してからじっくり加熱しました。
加熱したのは5回目で何とか真っ直ぐになりました。
次は歪みを取るために低温加熱、徐冷が好ましいのですが、省略して蓋の上に載せて焼き戻します。
温度の目安として黒皮を落として金属光沢を出して置いて加熱します。
光っていたところに薄い茶色の酸化物被膜が出来たら水冷して温度の上がりすぎを止めます。
今回は刃先の厚さを薄いままで焼き入れたので、本当の刃先には十分な焼きが入っていない可能性があります。
本格的な研ぎは柄をすげてからになります。