長いこと念願だった江戸鍛冶左久作を見学させてもらいました。
あっという間に8分鑿が出来上がっていきましたが、一つ一つのステップにとてつもない技と工夫が生かされていて、圧倒されどうしでした。
長いままの軟鉄の先端に薄い鋼を鍛接し叩き伸ばして鑿の形が出来ていきます。穂の形が出来、コミの基まで熱い鉄を叩いて作った後は、ヤスリとセンで仕上げていきます。
ヤスリをかけるのに万力で固定したいところですが、両端に穴の開いた6mm位の短い板に鑿の柄を通し、くの字になった鑿の穂を木の塊の載せ、鉄の板を両方の足で押さえてしっかりと固定してごりごりと削っていきます。
センで削る時などかなりの力がかかっているはずなのに鑿が微動だにしないのには驚くばかりでした。
ヤスリは大きな平ヤスリ一本で肩の微妙な形、首のテーパー、コミが簡単に削り出されていきますが相手は鉄、焼きは入っていないけど鋼なので大変な仕事の筈なのに楽々と進んでいきます。
焼き入れの済んだ鑿が少し歪んでいても、人肌ぐらいに温めてからどんと一発まっすぐに直してしまう技も見せて貰いました。
最後に研ぎを見せて貰いました。
研ぎ場の池?の傍に足の形にすり減ったくぼみに足を置いて丸く固まってあっと今に平面を出していく技に驚かされました。
ほんとは柄をすげてからちゃんと研ぐのですが、特別に見せて貰いました。
作業場の周りには素材、半製品、製品がうずたかく積んであって宝の山の中で仕事をしている雰囲気でした。
たっぷり見せて貰った後は周りにあるモンジャのお店でミーティングをして解散となりました。
それにしても、いくらモンジャの町といっても月島にこんだけのお店を作る感覚には驚いてしまいます。
外には、丸椅子が準備されていて、待っている人が座っていますが、中は結構空席があって人の流れを調整しているらしいのが感じられました。
キャベツの土手の中で、薄く溶いた小麦粉の焼けたのを小さいへらで食べるという食べ物はそれなりの味付けがしてあって、お話と一緒に堪能して帰ってきました。
参加者は木工塾の6名、中身の濃い一日でした。