マシジミとガシャモク

マシジミとガシャモクを手賀沼に復活させよう

刃物の研ぎ

置戸の研ぎではいろいろ不満足なことがありました。

人が良すぎて自分の道具を全部提供したので送り出した後は何も出来なくなってしまい寂しい思いをしました。
でも、本数管理を適当にやっていたのに全部の鑿が返ってきました。刃先は少し光っているのがありましたがこれならいいとしなければならないでしょう。

マエガンナは一本だけ細く削った刃先が欠けていました。正しくない角度で食い込ませて馬鹿力を出されたためです。
これも大変いい成績といえると思います。

問題は研ぎです。
マエガンナを研ぐ人が少ないので大変でした。

コレクションの道具はあるのに素人が触るとだめになるということで、13年間に一度だけ日本刀の研ぎ師の方に研いでもらったことがあるとか。

槍ガンナを研いでみました。

今回研がせて貰ったところ大部分はすばらしい刃が残っているのに錆が入り始めていて、切れ味はいまいちでした。

マエガンナは最近研いだみたいで切れました。ただ本数が少なく、今回みたいな木遊びをしようとすると話になりません。またカーブが大きく今回のサイズの器には使えませんでした。
せいぜい秋岡コレクションの試し削り体験として触ってもらえるようお膳立てするだけでした。

二日間で独りだけ触って返りました。

槍ガンナやマエガンナを素人が研ぐものではないという指摘を受けました。確かに正しいことだと思います。しぶや木工塾でも曲がった刃物に手を出さない人がいっぱいいます。
でも置戸の人は立場上コレクションの手入れをするということから触ることは許されるのではないでしょうか。プロがいなかったらそれで済むものではないはずです。
秋岡先生はかんなの研ぎは女性の方がうまいとよく言ってました。

曲がった刃はカンナや平鑿みたいに平らな砥石を定規にして平らに研げばいいというものではないので、少し面倒です。
切れ刃の角度はどうにでもなる角度から自分で決めないといけません。
原理的には今の刃の断面形状を維持しながら紙一枚の厚さを光っている表の刃をすり減らしてやることかと思います。

急ぎすぎるとどんどん刃先角度が大きくなっていって切れ味が重くなります。
あまり刃を減らさないように切れ味だけを復元させるよう努めるべきです。

その研ぎの入り口を経験してもらおうとしたのですが、如何せん15分では何も出来ませんでした。

マエガンナもそうですが、丸鑿も外丸ばかりがあって今回の器作りに使えるのは殆どありませんでした。
丸鑿を2-30本揃えて器作りのイベントをやっていくのはコレクションを体験してもらうという趣旨からは外れますが、考えてもいいのではないでしょうか。

コレクションの平鑿は使えるのがあると感じました。

その他にもいろいろ使えそうな道具はありましたが、かなり時間をかけて手入れする必要がありそうです。

夜中に大急ぎで研いだ数本の槍ガンナからはくるくる巻いた細長い削りくずが出ていました。
かつを節でないので削りくずが出てもしょうがないのですが。
  
研ぎの話はむずかしいので、Leonard Leeの The complete guide to SHARPENING を見直しています。
昨日は Tom Lie Nielsen の研ぎの本を注文しました。こっちは Complete Illustrated Guide to SHARPENING と似たような名前の本です。
Nielsenのカンナは出来が良いので幾つも持っています。使うのが楽しくなる道具で、おすすめです。そのカンナを研ぐポイントが記述されているはずと楽しみにしています。